注:写真は750mlです。
7月13日発送開始
『ラディコン』

造り手:Radikon / ラディコン
人:Stanislao Radikon, Sasa Radikon / スタニスラオ ラディコン、サシャ ラディコン
産地(州):フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア
ワイン:Oslavje、Ribolla Gialla、Jakot、Pinot Grigio、Slatnik、Melrot…等


(ヴィナイオータさんHPより)
白ブドウに長期間のマセレーション、長い樽&ビン熟成、酸化防止剤無添加・・・、さらにビン&コルクのサイズまで変えてしまうイタリアワイン界のMr.フルスイング、ラディコン。ヴィナイオータが取り扱う造り手の大半が、ワイン界における過激派に属すと世間的には認識されているのかもしれませんが、ラディコンは、世間の過激は自分の普通だ位に思っている僕でさえ、「おー、なかなかラディカルだねぇ」と思うこともしばしばな造り手。ですが、そのラディカルさが他の人には真似のできないもので、それが彼のワインに唯一無二の個性を与えていることも事実。

“ないない尽くし”な彼のワイン造りですが、何も考えることなくただただ乱暴に“しない”を選択しているのではなく、彼なりに確証を得ながらここまで来ているのだということを時系列的にご紹介します。

戦後間もなく、スタンコ(スタニスラオの愛称)のお祖父さんがワイナリーとしての活動を開始します。1980年にワイナリーはスタンコのものとなり、同時にそれまで桶売りをしていたワインの自家ボトリングを開始。自らの名前を冠したワインを世に出すわけですから、より高いクオリティを追求する手法を採用するようになります。

伝統への回帰〜ワイン業界未踏の地へ

1980年代後半までは培養酵母を添加、ステンレスタンクで温度管理をしながらの醗酵といった当時“伝統的”とされてきた手法を採用し、80年代後半からは小樽での醗酵・熟成こそがクオリティの高い白を造る為には重要だと考えるようになります。

しかし、赤ワインのほうが白よりも複雑(偉大)であると、ほぼ無意識の世界でそういった思い込み(認識)があり、それに疑問を感じたのが94-95年頃。

加えて、彼の住む土地コッリオは伝統的に白の生産地域。複雑で、なおかつ自然な造り&味わいの白を造ろうと考えた時、「だったら、赤みたいに白を造っちゃえばいいんじゃね?そもそも、ブドウの皮の色の違いで、造り方が違う事自体変なんだよ。昔は白だってそうやって造っていたんだし、皮ごとの方が醗酵もスムーズに進むはずだし、ますます培養酵母なんかに頼る理由がなくなるじゃんか!」というわけで95年、リボッラ ジャッラで皮ごとの醗酵を試験的に行います。バリックを縦置きにして、樽の丸い板の部分をぶち抜いて作った即席の開放式醗酵槽だったので生産量も300本程度。商品として扱ったのはヴィナイオータだけではないでしょうか。



96年、白ワインの全生産量に対してマセレーションを開始(1週間程度)。そして、土着品種であるリボッラ ジャッラにこそスポットライトを当ててあげなければならない考えるようになり、リボッラ以外のブドウ(シャルドネ、ソーヴィニョン、ピノグリージョ、00 まではトカイも若干)は全て混醸し、オスラーヴィエ(彼の住む村の名前、オスラーヴィアのスロヴェニア語表記)という名前でリリース。

97年頃から大樽で3年熟成させるようになり、マセレーションの期間もアルコール醗酵の最後まで行うように。通常のキュベ用のブドウよりもより長く樹上で追熟させたブドウで仕込んだワインは古バリックで4年以上熟成させ、5年以上の瓶内熟成を経て、同年に生まれたスタンコの次女の名を冠してリゼルヴァ イヴァーナとしてリリース。リボッラ97イヴァーナは、イタリア自由なワイン界の世界遺産に認定されるべきものかと。

99年、00年とオスラーヴィエの一部極少量を酸化防止剤完全無添加でボトリング、その結果で確証を得たスタンコは段階的に本数を増やし、02からは全生産量を無添加でボトリング(メルローは99か00から無添加)。

長期間の醸し醗酵による、ブドウから最大限の抽出を行うようになってから、タンニンを丸くするために樽での熟成期間も長くし、ボトリングしてからも香り味わいが花開くのを待つために、ビン熟成も長く取るようになり…ラディコンはこう言います。

「樽で1年寝かせたワインは、ビンで1年寝かせれば味わいは概ね開いてくる。2年樽熟させたものは、ビンで2年、俺のワインように樽で3-4年寝かせているものなら、やはりビンでも3-4年は休ませたい。酸化的な環境に長く慣れ親しんでしまったワインは、ビンという還元的な容器に入れられると、極度のストレス状態になってしまって、そのストレスから解放されるのに、より時間がかかるんだ。」

南国の、なんくるないさぁ的気候風土の中に長らく身を置いた後、いきなり極寒の地域に引っ越したらどうなるか?こう書けば想像しやすいでしょうか(笑)。

彼がワイン業界未踏の地を切り開いて、打ち立ててきた数々のマイルストーンとその意味を、僕のようなその瞬間を目撃してきた者が伝え切れていないという部分が大いにあるとはいえ(結構責任感じてます!)、世間の理解&受け入れスピード(それが”一般”から大きく逸脱したものであればあるほど時間がかかるものですよね)に対して彼自身のスピードがあまりにも速すぎる というのと、彼の造り出すものは全て極端に攻めたものばかり・・・。8割以上の生産量を6年後にリリース、残り2割も2年後に出るどころか10年後にリリース。平均してみると、約7年後(!!!!)にワインをリリースさせていることになります。

息子サシャの参画、セカンドラインの誕生

昔と比べて、空間と時間に対するコスト感覚がより強くなってきている現代にこんなことをやるなんて、ある意味狂気の沙汰とも言え・・・。そんな時に救世主が現れます!以前から手伝っていた長男のサシャが、2009年からワイナリーに本格的に参画するようになったのです。そしてワイン造りの上でサシャがスタンコに提案したのが、セカンドラインを造ろうというものでした。



サシャもきっと僕と同じような考えを持っていたのだと思います。生産量全てを6年後以降にリリースさせるのは、あまりにもリスクが伴うということ、一部のワインだけでもできるだけ早い段階で現金化し、リスクを軽減するのと同時に、結果生産量が減ることになる上級キュベにより強いスポットライトが当たるようにする・・・。

「いやー、俺はやりたくなかったんだけど、経営に参画することになったサシャの言うことだろ・・・。ま、奴にも少しは責任を負わせなきゃいけないしってことで、やってみることにしたんだわ。とはいえ、俺のワインと厳格な差別化を計るべく、750mlにボトリングさせようと思っているんだ。」とスタンコ。僕的にはブラーヴォ、サシャ!!!って感じです。

マッサ ヴェッキアのファブリーツィオも、スタンコの頑固さにしばしば呆れつつも、ワインが“完成”してからリリースさせるというスタンコのスタイルには賞賛の声を惜しみません。畑での仕事、醸造、熟成、特に醸造&熟成という点に関して、彼以上に攻めている造り手は世界中を見回してもほとんどいないのではないでしょうか??

ボトル&コルクのサイズ、形状について

「白ワインとはいえランチに2人で750mlは多いなー。だけど375mlだと少しもの足りない…。」と思ったりすることありますよね?ラディコンはそこから「特に自分の造るようなワインこそ、500mlにしたらもっと活躍の場があるはずだ!!」とこの2つのサイズでのリリースを思いついたんだそうです(1000mlは4人用もしくはパーティーサイズということなんだと思います。)。そしてラディコンはサイズを変えること以外にも、年々減っている良質な天然コルクが今後さらに入手困難になることを危惧して、コルク業者に今までにない小さなコルクを、瓶業者に今までにない小さな口径の瓶を開発してもらいエディ・カンテと共に“良質な天然コルクをより多く確保していこう!”プロジェクト(実際にはこういう名前ではありません、僕の脚色です。)を発足したのです。ここで皆さんも「でも500mlにするんなら、750mlより酸化しやすいんじゃない?」という疑問を持たれるかもしれません、確かにそうです、750mlより1500ml、1500mlより3000mlと、より大きい容器の方が酸化のスピードが遅いのはよく云われていることです。それはワインの場合容器が大きくなると中に入る液体の量が2倍も3倍も多くなるのに対して、容器の中に入る空気の量はそれほど多くならないため、小さい容器よりも大きい容器の方が空気と液体の接触率が小さいためです。ラディコンはこうした問題点を解消するために瓶業者と繰り返し議論を重ね、“世界初!500mlなのに、空気の接触率が従来の750mlと同じ瓶”の開発に成功したのです!!凄すぎです!!


ワイン名:RS 17 エッレエッセ 2017 赤 1500ml
生産者:ラディコン
産地:フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア
ブドウ品種:メルロー75%、ピニョーロ25%

今回は2017年です。
2014年は良かったですね〜今回はどうでしょうか
楽しみです。

(以下2014年の説明です)
RS14は、Rosso(赤)のR、サシャのS、14は2014…つまり、2014年産のブドウ(メルロー75%、ピニョーロ25%)を使ったサシャ シリーズの赤ワインになります。太陽の恩恵を全くと言っていいほど受けることのなかった2014年、一部のメルローとピニョーロを混醸、醸し期間も2週間程度に留め、木樽で3年熟成させた後にボトリングされたのが今回のワインとなります。全然軽いワインではないのですが、もう既にどえらい飲み心地です。毎年生産されるわけではなく、次ヴィンテージは2017との事。
(オータ社長メールより抜粋)


注:大変申し訳ございませんが、この商品はお一人様一本限りとさせて頂きます。

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