サウザルのテロワール、それはスレート土壌×高標高×急斜面

『ヴァイングート・ヴァルガ・ハック』


1994年、レイナ―・ハックはズュート・シュタイヤーマルクのサウザルにヴァイングート・ヴァルガ・ハックを立ち上げました。2002年に妻のジャスミンと結婚して以降は夫婦二人三脚で切り盛りしており、現在約10haの畑を持っています。

畑のブドウ構成は
20 % Sauvignon Blanc、20 % Riesling、20 % Pinot Blanc、12 % Welschriesling、10 % Pinot Gris、10 % Morillon (Chardonnay)、5 % Muskateller、3 % Zweigelt(ROSÉ)となっています。

レイナ―は、Silberberg(ジルバーベルク)のブドウ栽培の学校を卒業後、畑と醸造の現場で修業をしていました。その後、1994年に自らのWeingut(ヴァイングート)を立ち上げながらもジャスミンと彼の両親と共に生活の為にブッシェンシャンク(ホイリゲのような酒場)とゲストルームを営んでおりました。しかし、ワイン造りのみへの集中とオーガニック農業への変換への欲求は彼の中で高まっていきます。2006年にKrems(クレムス)でビオロジック農業のコースを、2015年に
はGöpfritz(ゲープフリッツ)でビオディナミ農業のコースをとり、徐々にしかし確実に自然回帰への農業を深化させていきました。現在は、ワイン造りのみへ集中できる体制が整っています。

グラーツ出身のジャスミンは地元の大学で建築の博士号をとりました。この時学んだデザインやアートはワインメーカーとして今も彼女にとっては重要な要素となり、ヴァイングート・ヴァルガ・ハックを支えております。両親がワインをこよなく愛していた影響で、大学卒業後、彼女はワイン造りに興味を持っていきます。農業とワイン醸造の学校に通い、ワイン造りの勉強を始め、最終的にGöpfritz(ゲープフリッツ)でデメテールのビオディナミ・コースも取得します。夫婦間で彼女は現在マーケティングと営業の担当をメインとしておりますが、ワインのスタイルや方向性を決める時は夫のレイナ―と共に彼女の意見ももちろん重要視されています。

2003年の長男の誕生がエコロジカルな農業へ転換する大きなきっかけとなりました。2006年には次男、2012年には長女が生まれ現在3人の子宝に恵まれています。

レイナ―とジャスミンは2004年に畑をビオロジックへ変換、2009年にはオーガニック認証を取得します。ヴァイングート・ヴァルガ・ハックはサウザルのキツェックの地で初めてビオロジック農業を実践し初めて認証を取得したヴァイングートです。以後、畑のますますの自然回帰を進めビオディナミ農業へと深化させ、2017年にはデメテールを取得します。デメテールの取得は醸造やワイン・スタイルに影響するだけでなく、とりわけ畑に多大な影響をもたらしました。動物や植物の生物多様性は日に日に畑に浸透し、他者の畑との違いは明確となっていきます。二人は畑を植物や生物の住みかとして、また3人の子供たちの壮大な遊び場として考えています。

「古いものは樹齢50年になるブドウ樹のまわりで、花が咲き、蜂が飛び交い、草木は高く伸び、野鳥がブドウ樹に巣をつくる(笑顔)」微笑ましく語ります。

完全な手仕事、ビオディナミ・サイクルを手助け継続する事。土壌がより生命力に満ちて生き生きとし、化学肥料や除草剤や殺虫剤なしでブドウ樹が元気に育っていくのは、彼らにとっては必然の結果でした。畑の自然回帰への決断と努力、それはヴァイングート・ヴァルガ・ハックの個性と将来を決定づけました。



【サウザルのテロワールについて】
レイナ―とジャスミンはズュート・シュタイヤーマルクの地質学的特性とサウザルの畑の個性をよく知っています。3億5千万年前に形成されたシスト土壌で、傾斜はそれぞれの区画で45 〜 70度にもなります。85%が様々なタイプの
スレート土壌で15%が貝殻石灰岩です。この不毛な土壌はブドウ樹をゆっくり育て低収量で高品質のブドウを産みだします。

ズュート・シュタイヤーマルクのサウザルは、Sulm(スルム)河とLaßnitz(ラスニッツ)河の間、シュタイヤーマルクの東西のほぼ中央にありその他の山々より100mほど突き出ています。土壌は、古生代のシストで構成されております。

絹雲母珪岩、粘土シスト、緑、赤、灰色、青黒、などいくつもの種類、カラーのシストで構成されているのがサウザルの特徴です。古生代、ズュート・シュタイヤーマルクのエリア全体は長期間、海に沈水していました。このため、サウザル以外のズュート・シュタイヤーマルクの土壌は、古生代のサンゴ礁と海洋生物でできた貝殻石灰岩で構成されております。一方、サウザルの大部分はいくつもの小高い島として沈水を逃れました。この事がサウザルの土壌が他のズュート・シュタイヤーマルクと一線を画す主因となっています。しかし、サウザルでも低地層の土地は同様にかつて沈水していた為、ここでは土壌は貝殻石灰岩が主体となっています。

このように、古生代の海中堆積物で構成されたズュート・シュタイヤーマルクその他のエリアとサウザルは、全く異なる土壌となっています。サウザルの最も標高が高い場所はDemmerkogel(デンマーク―ゲル)の 671mにもなり、ここの畑はヨーロッパでもっとも傾斜度が高く、90度を越えます。高度な技術を持つ職人によって、これらの極端に傾斜度が高いブドウ畑はテラス状に作られてきましたが、しばしばそのまま植樹されている畑も見られます。

サウザルはまたオーストリアで最も古いワイン生産地の一つで、スレート土壌からくる繊細なスモーキー・フレーヴァ―を伴うミネラル豊かなワインが産まれることで有名です。ブドウ栽培はローマ時代から存在し、12世紀初頭からは主に聖職者たちによって担われてきました。その当時、ザルツブルグの大司教が地元の農家に森を切り開きブドウを植えるよう指示していて開墾が進みました。イリュリア性地中海性気候の影響でブドウだけでなく、栗やカボチャ、イチジクやキウイなどの様々なフルーツもまたこの地では見られます。

この気候の影響で、サウザルは激しい寒暖差も大きな特徴です。日中はとても日差しが強く、一方夜間はグッと気温が下がります。この気温の上下動がブドウに複雑なフレーヴァ―と酸をもたらし、サウザルのワインの特徴となっています。最高で670mの高標高にも及ぶサウザルでは、ブドウの生育はゆっくりと長期間となりこれらの要素もまたこの地のワインに特徴的なフレーヴァ―をもたらしてくれています。

それぞれの区画の標高の差もまたしかりで、畑や区画により全くテロワールが異なり、数多くの単一畑に区切られる要因となっています。斜面の急峻さによりブドウは日光を正面にうけ、それはブドウがまだ十分な酸を保持しながら完熟できる要因となっています。

サウザルの気候と地質上の特徴からオーガニック農業は適さないとされてきた古い固定概念を、夫婦は畑の個性とワインの高い品質という目に見える結果で一蹴してきました。

醸造においても、全てのキュヴェにおいて自然酵母での自然発酵と無濾過無清澄は徹底されております。亜硫酸添加の有無はキュヴェにおいて異なりますが、ディオニー初輸入は、完全なサンスフルワイン2種類で日本市場にご紹介させて頂きます。ナチュラルでスタイリッシュなスタイル、でもどこか実直な味わい、それはレイナ―とジャスミンの生き方を鏡で映したようです。


ワイン名:Riesling Natural リースリング ナチュラル2016 白 750ml
生産者:ヴァイングート・ヴァルガ・ハック
産地:オーストリア、シュタイアーマルク
ブドウ品種:リースリング
酵母:自生酵母
醗酵:10月2日収獲。プレス後、600Lの木樽で30日間[17 〜 22℃]発酵(マロラクティック発酵あり)
熟成:そのまま26 ヶ月[11 〜 16℃]熟成。無濾過・無清澄/瓶詰め:2018年11月28日果実の日
So2:無添加 トータル:13mg/L未満

ズュート・シュタイヤーマルクのサウザルに94年に立ち上げたヴァイングート・ヴァルガ・ハック、千枚岩(Phyllit)のシスト土壌に植わるリースリングをプレス後、600Lの木樽で発酵、26ヶ月熟成しSO2無添加で瓶詰めしました。しっかりとした黄金の色調、ナッツやヒノキ、アプリコットジャムの香り、存在感のある酸と厚みのある果実、複雑な味わいにほろ苦さが溶け込んだしっかりとしたボディが印象的です。


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